野心

純文学を書く上でいちばん必要とされるのは、文章力でも、実体験でも、読書量でもない。
野心だと思う。


野心があればこそ、いままでにないものが書ける。
野心があればこそ、時代性を捉えたものが書ける。
野心があればこそ、歴史に残りゆくものが書ける。


ぼくには、野心がない。
今回の作品には、ない。
書けるものを、己自身から搾り出すようにして、書いただけだ。


それでは駄目だ。
それでは駄目なのだ。


そういうことを学べただけでも、進歩と捉えよう。