小説を書く

すべての人が小説を書くようになれば、世界はすこしだけ平和になると思う。


自己実現の術を持たないがために、人は、人に依存したり、人を出し抜いたり、人を殺したりする。
小説を書く、というのは、自己実現のひとつの術だ。
じっさいに書かなくたっていい。
俺は小説を書くのだ、書いてみせるのだ、という意識のもとに生きればいい。
そうすれば、それが自信となる。
どんなちっぽけで駄目な自分を突きつけられても、まあ、俺には小説があるからな、と思うことができる。


でも、ほんとうに書く気なら。
その野心は、必ず翻って自分自身を傷つけるだろう。