文章

彼女よりも、ぼくのほうが文章はうまい。
日本語は整っているし、語彙力だってそこそこある。論理的な展開も、そうそう突っ込まれるほど隙だらけではない。
彼女よりも、ぼくのほうが文章はうまいはずなのだ。


けれども、彼女の文章は、読んでいるうちに消失するのだ。
かわりに風景が立ち上がる。そこに人が息づく。


ぼくの文章は、消えない。
ページの上に留まったまま、沈黙している。