人間観察

電車内で本を読んでいると、ときどき向かいのひとが自分を見ていることに気がつく。目が合うと逸らす。
人間観察、だろう。
趣味は人間観察、と恥ずかしげもなく言い張れるひとが、ぼくは苦手だ。見ること、見る側にいることの残酷さを自覚しないでいるのは、犯罪じみている、と思う。

ときどきぼくも、気づかれないように「人間観察」をする。後ろめたくて、気持ちいい。